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伊坂幸太郎

今を時めく小説家の伊坂幸太郎さんですが、

彼の小説に初めて出会ったのは今から10年程前に読んだ

「オーデュボンの祈り」

と言う小説でした。

当時読んだいろんな小説の中でも伊坂さんのこの小説はとても新鮮でした。

たまたま書店で手に取った小説でしたが、意せず大穴馬券をあてたようなそんな感動がありました。(無理矢理、穴に関係させようとしてる所が苦しいf^_^;)。

今はいろいろ映画化もされ、誰でも知ってる作家になり最近では「ゴールデンスランバー」が映画化されて話題になっているようですね。

当時、この若さでこの内容はすごいと感心し、当時彼の作品にはまっていた僕もあまのじゃくなとこがあって知名度が上がってからは彼の作品は読んでいません。

久々に伊坂幸太郎さんの作品を読んでみようかとも思いますが、昔と違う新たな感動を与えてくれるのを期待しています。

ちなみに他に好きな作家は安部公房です。

「砂の女」は何度も時間が経ってからも読みなおしました。

伊坂幸太郎の「オーデュボンの祈り」と

安部公房の「砂の女」

どちらにも共通することと言えば

「怪しい世界」てことです。f^_^;

それからもう一つ、どちらもその作家の初めて読んだ小説だったと言うことです。

やはり何事も初めて出会ったものは思い入れが強くなりますね。

まだ読んだことのない方、怪しい世界が嫌いではない方にはオススメの2冊です。

ちなみに「砂の女」は穴が関係する内容です。

屏風画の間

僕の好きな作家に俵屋宗達がいます。

宗達と言えは誰もが知ってるのが2曲1双の全面に金箔が施された屏風画「風神雷神図」ですが

あの中央に大きく取られた大きな空間はまさしくドーナッツの穴なんですね。

風神、雷神はこの穴をつくるためにいるようなもので穴との関係が絶妙なバランスをつくり出しています。

宗達といえば光悦の書とのコラボレーションでも素晴らしい作品が沢山ありますが宗達が作りあけたドーナッツに光悦のこれまた絶妙なトッピングで花を添えています。

宗達は近代まではそれほど評価が高い絵師ではなかったのですが、その大胆な表現はとても現代的ですね。

当時を考えると、かなり異質な表現だったようで、宗達は日本人ではないのではないかなどなど様々な憶測もあり、謎に満ちた絵師のようです。

「風神雷神図」は琳派の絵師の模写もいくつかありますが、やはり本物とは雲泥の差があります。

その違いはこの作品を近くで見た時の単純な輪郭線の勢いに如実に表れています。

久しぶりに博物館で「風神雷神図」を見て、なんじゃこれ?宗達ってこんなんだったっけ?とガッカリしながらあらためてキャプションを見直したら、小さく模写と書かれていて安心したこともありました。取り分け宗達の絵はオリジナルの良さが際立ちます。

古い屏風画や巻絵にもよく見られるどちらが地か図かわからない程に画面に穴が空いたような雲の様式的な表現も言いかえれば同じくドーナッツの穴なのですね。